京都旅行記

8月16日

 ここ数日浴衣を作っていて作りたくなったもの。紅玉(隠れ月)の着物2枚。染めの着物×2枚ということでずっと躊躇していたのですが、実際に浴衣を縫っているといろいろとアイディアが涌いてくるのです。2枚重ねの引きずりの着物なので裏も見えそうなので合わせ仕立てにしようかとか、裾回しにもちょっと模様は入れようかなとか、最初は一枚を染めではなく刺繍にしようかと思ってたとか、計画段階ですでに自分の首を絞めまくっているのですが。でも、合成繊維を模様染めにすると”にじみ”などが出そうだし、どうすればいいんだろう…。

 東京駅まで大阪に帰る弟と一緒に行って、乗る新幹線が違うので新幹線の乗車口で分かれてホームに向かいます。新幹線が来る前にホームでお弁当を買って、到着して乗り込み。なかなか発車しないなと思ったら時間を10分早く間違えていました。早く間違えたので良かった…。ぷらっとこだまなので遅刻できないのです。
 在来線のアナウンスで小田原や伊豆のあたりは遅れたり止まったりしていて、京浜東北も遅れが出ていたみたいですが、新幹線は無事に定刻通り発車、到着。
 前日までの疲れが出ていて、新幹線では熟睡しました。首が痛かったけれど。こだまなのに静岡の次が京都でした。

 京都に着いたらヴァーチャル弟響さん、頭中将とご飯を食べようと心づもりしていたのですが、響さんは起きられず、頭中将はバスが遅れ、お腹が空いたのでご飯食べてから京都に向かう、とのこと。計画とん挫。
 しかたないので、京都駅の地下街のトイレで着替え、おつけものの西利で天ぷらうどん(漬け物が天ぷらになっている)を食べました。西利が軽食を出しているこのお店、おつけものの意外な食べ方とそれが美味しかったのと場所が便利なので気に入ってます。
 食事前に京都駅のキャリーサービスに荷物を預けたのですが、これが非常に分かりづらい。ひょこん、と引っ込んでるところから入っていくのです。行き先表示を途中で見失う人も少なくないのではなかろうか。

 響さんが梅田で頭中将を捕獲して到着したので、駅の改札で待ち合わせ。普段黒ロリ系が多いので黄色のサンドレス+白のヘッドドレスは心理的迷彩仕様で探す難易度が高かったそうです。ちなみに難易度最高はユニクロor無印良品。
 何とか落ち合うと頭中将はTシャツにジーンズ、響さんは黒いチャイナシャツ、私はロリータ。この組み合わせは一体何なんでしょう。
 どこか行こうかという話も出ましたが、へたれ3人組なので夏の京都の昼下がりを観光する気力がなく結局お茶でも飲もうか、と言うことに。
 「都路里がいいな」と私が言って、都路里か、混んでいたらセカンドハウスという喫茶店にしようと言うことに決定。

 都路里、半端じゃなく混んでいました。一体何人並んでいるんだろう。ファッションフロアの一角の甘味どころに並ぶ人数じゃないぞ、これは。観光客にしてみれば京都まで来たんだからここでパフェ食べねばならないのでしょうが(ここまでは並んでいないけれど私も前に来たときはそうだったし)、この行列は尋常ではない。これを待ってたら待ってるだけで待ち合わせ時間に遅れる、ということで行き先変更、セカンドハウス。都路里行きたかったけれど、冷静になって考えてみたら都内にもあるし。しかし、セカンドハウスに行くのであれば、荷物を預ける必要がなかったではないか…。
 伊勢丹の案内の女性が浴衣を着ていて、帯結びが二回身体に巻き付ける上の部分をぐるぐるとねじって帯締めを締めたようにしていたのが可愛かったです。

 セカンドハウスはちょっと待ったけれど、程なく席に案内してもらい、季節限定桃のムースとアイリッシュティー。大荷物持って2階の踊り場で待ってて案内されたのは1階席でしたが。
 はぐはぐと喰らいつつ最近の話を聞く。しばらくチャットに顔出していないからどの話も新鮮。まあ、色々ありますね。
 ここでつるっと頭中将は口を滑らせ、それが後でまろちゃんの怒りを買うことになってたり。

 時間になって、コンビニで待ち合わせるはずが道を歩いている時点で見つかりました。まろちゃん浴衣、遮那王さんチャイナシャツ。遮那さんと響さんは揃ってチャイナだったけれど特に申し合わせたわけではないらしい。
 会場でしばらくおしゃべりしてから浴衣に着替え。浴衣、間に合って良かったです。間に合わなかったら高校の時に縫った浴衣を持っていこうかとも思っていました。
 遮那さんに手伝ってもらいつつ着替えます。着物スリップとかおこしを着ないでタンクトップだけで着ていたら、ラフすぎるとあきれられました。浴衣の時に帯板を使ったことはなかったのですが、帯が柔らかくてしわが出るので、西利でもらってきたちらしを折って帯板代わりにしました。紙質が良くてしっかりしていたので助かりました。半幅帯を結ぶのは久しぶりで、ちょっと苦労しましたが、「浴衣は縫えたけれど一人では着られません」というかっこいい事態は避けられました。ちなみに、浴衣の柄はこの壁紙のような黄色のあやめです。もっとも私はあやめと菖蒲とカキツバタの区別が付きません。

 大文字では久しぶりにお会いする人とも会えてよかったです。
 遠方の人とはこういうイベントの時でもないと会えないですしね。
 会主お手づから釣った鮎、焼き肉、卵焼きetc。鮎は初めて食べました。本当は「骨抜き」というのをして食べるそうですが、私は出来なくて普通に魚を食べるように食べていました。卵はほんのり甘い関西風。関東だともっとお菓子のように甘いです。
 お酒も、参加者の方が「去年の夏を越してしまったので今年中には開けないと」と持ってきた越之寒梅とか、長龍とか、美味しいのが色々。しかし、おかわりしに行ったらすでに尽きていた。ちっ。「公家でおじゃる」というふざけた名前のにごり酒が存外美味でびっくり。

 さっきの失言がばれてまろちゃんの怒りをかい、みんなの下僕となった頭中将に全部運んでもらいました。というか、女性陣、みんな浴衣で動けなかったのです。失言については、遮那さん曰く「去年同様使えない男だな」どうやら毎年不変のポジションらしいです。

 下僕となる運命を決めたのは、御菓子司まろ庵作のレアチーズケーキ。明日がお誕生日の響さんへの誕生日プレゼントだったのです。まろちゃんは「秘密にしておいて、どのタイミングで出したら一番喜んでもらえると思う?」と頭中将に相談までしていたにも関わらず、つるっと「あ、まろさんケーキ持って来るんだって。」と言ってしまったという。


ティーコジーと浮線綾ケーキ
浮線綾ケーキとティーコジー

 ブルーベリーソースはランダムにマーブル状になっているのではなく、「浮線綾」の模様になっているのです。ケーキは大変美味でした。
 上に見えているのは小細工屋まろ堂の新作、ティーコジーです。次は何にしようかな?とまろちゃんが言っていたのでティーコジーが欲しいですとリクエストしました。発案者は一作目がもらえるのです。装束切れなので汚れても洗えないと言う心配ご無用、内側にキルティングが付いていて、汚れたら外して洗えます。このアイディアはまろちゃん製。

 肝心の大文字は大の字が見えました。
 送り火で山に字を書いてしまう、と言う発想が豪快だなと思います。
 何時間もの間、篝火の如く焚いているのかと思いましたが、思ったよりも短い時間でした。

大文字撮影中
大文字撮影中

 大文字を撮ろうと張り切ったはいいけれど、カメラの中のフィルムが撮りきっていなくて使いかけのフィルムはISO100。大文字パーティーが始まる前に撮りきれると思ったのですが話に夢中で全然写真を撮っていなかったのでした。シャッタースピードはかなりゆっくり目にはしましたが、多分撮れてないでしょう。高感度のフィルムとズームレンズ持っていけば良かったです。

 火が消えた後、みんなで後かたづけして撤収して、お知り合いに響さんと頭中将とまとめてホテルに送ってもらう。一緒のホテルを取っていたのです。
 インターネットで検索をかけたら、着物でチェックインすると5000円になると言うサービスがあったので、浴衣のままチェックインしました。ちゃんとした着物じゃなくて浴衣でも良いですか、と事前に確認していましたし。
 さんざ飲み食いしたのに飲み足りない、と自販機で缶チューハイ買って飲んでるダメ姉弟。頭中将はお腹空いたと言って何か食べていた。ろくに食べる暇もなく働いていたらしい。そ、そこまでとは…。

 響さんに、”3サイト合同OFF”(詳しくは響さんのサイトにて)について聞いてみる。どうやら何時に終わるか分からないほど、収拾がつかなくなるんじゃないかとの話。そして響さんは「それとですね。」とカードサイズの大阪の地下鉄の路線図をぺっと取り出して、「このへんが(カードを丸々一つ開けたくらい左斜め上を指さして)、姉上の弟さんの家。で、この辺が(またもやカード一枚分くらい開けて下を指して)、うち。どっちにしても終電ありません。」(きっぱり)。うーむ、大阪市内じゃないというのは東京都内じゃないみたいなものか。というわけで、すでに”帰れませんモード”の人が2名。どうぞ皆さん安心してご参加あれ。>3サイト合同OFF

 飲み直して食べ直してしゃべり倒して、じゃあまた明日、9:45分ロビー集合、朝ご飯は自助努力(東横インはコンビニなどが入っていないところでは朝におにぎりなどが出されます。)として解散。

 夜中、寒くて目が覚める。エアコン効きすぎていたらしい。エアコンを切って、軽く酔いも残っていたので水を飲んで寝直しました。
 響さんに至っては寒くて風邪を引いたらしい。誕生日だというのに。

8月17日

 嵐山に行こう、と計画していました。お昼におばんざい食べ放題食べて、天竜寺見て、オルゴール博物館行きたいな、と。まろちゃんが嵐山は行ったことあるって言ってたし。
 起きたら雨。
 前日から何となく予想できないことはない空模様でしたが、雨では致し方ない。
 なかなか降りてこない頭中将を待ちつつ、響さんと、おにぎりとおみそ汁で朝ご飯。頭中将が降りてきたときにはおにぎりは下げられていました。
 集合して、ガイドブックを見て、雨でも行けそうなところを検索をかける。頭中将と私が遠国なので希望出していいよ、と言われましたが、全く土地勘がない上に京都は見るところがありすぎる。

 青蓮院なんかいいんじゃない? 室内から庭を眺められるし、と助け船を出していただいて青蓮院へ。
 途中、お昼ご飯はどうしようかという話になって(頭中将は結局朝ご飯を食べていなかったし)、響さんが「いもぼう。」とぽそり。
 異論もなかったのでお昼ご飯はいもぼう平野屋本家に。タクシーから予約電話をかけてお座敷確保。タクシーの運転手さんが面白かったです。
 いもぼうでは張り込んでとろろ芋の海苔巻きとあんかけ豆腐のつく花御膳。刺激物がだめな響さんは必死になってあんかけ豆腐の辛子をよけていました。
 京都の料理は薄味、というけれど、我が家は塩分6g生活(最近はやや緩和傾向)なので特に薄いとは思いませんでした。なんか、甘い。全体に出汁の味がします。

 青蓮院はすがすがしい建物でした。なんというか、雰囲気が涼しいのです。気温も湿度も高いはずなのに。歌人の額がかかっていたりして華やかなところもあって。同じシリーズの絵のはずなのに狩衣から束帯まで衣装にバリエーションがあるのが面白いところ。まともに一首丸ごと解読できたのは一首もありませんでしたが、小倉百人一首ではなさそうです。
 庭を眺めつつぼんやり。こうしてみる分には雨の京都も風情があっていいです。修学旅行の自由行動(というか自力行動)だったら泣きそうですが。
 しとしと。ふぇっくしょいふぇっくしょい。…大丈夫ですか響さん。
 Buddha bless you! byまろちゃん(ここはお寺なので)
 しかし、雰囲気は涼しいんですが気温と湿度が高かったです。汗がガマの油の如くだらだらと。

 雨がやんだので庭を歩きました。途中鐘があって、自由についていいとのことだったので撞いてみる。さっきからごんごんとランダムに鳴ってたのはこういうことだったのね…。

鐘突
自由に撞いてください、と張り紙があります。

 そのまま知恩院を見ていこうかという話になりましたが、雨が上がったら今度はかっと暑くなり、だんだんみんな無口になる。円山公園を抜けたあたりでは、もうみんな喫茶店か甘味どころで涼んで冷たいものを飲むことしか考えていませんでした。あまりに無口な行軍に、「みんななんかしゃべってー、寂しいわ。」とまろちゃんが言うも、口を開く元気がなかったのでした。京都の暑さってすごい…。

 四条通に出て、歩けど歩けどなぜかコーヒー専門店ばかり。コーヒーが得手ではないメンバーだったので頑張って大原女屋まで歩きました。一瞬、都路里行きたいな、と思ったけれど、ものすごい行列で見た瞬間却下。
 頭中将のアイスクリーム、響さんの冷やし抹茶汁粉、私の八坂しぐれ(抹茶の蜜の中にくずきりが浸っていて、上にアイスが乗っている)、まろちゃんの抹茶パフェ、の順番に甘かったらしいです。葛霧を食べた後の蜜がスプーンですくいにくくて意地になってすくってたり。あれは残すべきものだったのでしょうか。でもかなりたっぷり残ってたしなぁ。もう少し元気があったら3種類の甘味が食べられるセットにしてたんですが。
 もっと強烈な「甘味会席」なるメニューがありました。響さん推測によると「ダブル不倫で訴訟起こされて慰謝料請求」な甘さ何じゃないか、とのことでしたが。
 気合いを入れて体調を整えて挑戦したいとは思います。誰か一緒に行きませんか?とここで同行者を募ってみる。

 バスの時間の都合がある頭中将を駅まで送り、響さんとまろちゃんで某所に戻ってしばらくおしゃべり。そのあと二人をまた駅まで送って、布を見せてもらったりしつつまたおしゃべり。
 いつもながらいごこちよくおしゃべりさせていただきました。ありがとうございます。
 晩ご飯を食べて、ホテルまで送ってもらいました。天気を見て、明日こそは嵐山に行こうと思って四条大宮に宿を取ったのでした。

8月18日

 うまいこといって、いい天気でした。
 京福嵐山本線に乗って嵐山へ。1両のバスのような電車です。途中一部路面を走ります。
 四条大宮ではちょうど電車が来てダッシュで飛び乗ってしまったので嵐山駅に着いてからゆっくり電車の写真を撮りました。
 嵐山の駅前は、プチ京都駅。京都のおみやげは一通りここで買えます。歩けるレベルの距離に見所がこぢんまりと集まっていて、観光にはいいです。

 朝寝坊してしまって何も食べずにいたのでまずは食事、と思って駅前をうろうろして、平の屋というところで食べました。店員さんがはきはきしていて感じよくて、正解でした。高雄というのにしました。炊き込みご飯と湯豆腐(冷や奴にも出来る)に、あとはちょこちょこお膳一杯におかずがならぶものです。湯豆腐は食べたいと思っていたけれど食べずにいたものだったので良かったです。
 駅前をうろうろしていて京友禅の工房が「見学どうぞ〜。」と呼び込みをしていたので、帰りに寄ろうと決意する。

 そして天竜寺へ。広いお堂をお参りして、それにもまして広い庭を歩きます。青蓮院もそうでしたが、比較的後の時代の建物なので、畳敷きで「住居」に近い印象です。ここも雰囲気は涼しいんですが(座って涼んでいる人もたくさんいました)、じっとしていると汗がじわじわとにじみ出してくるのが分かるので、歩いていました。
 庭は広い池があって、いろいろな種類の木が植わっていてとても見応えがあります。桜や紅葉の時期に来たら見事だろうと思います。庭の中に料亭(?)があって精進料理がいただけるそうなので、時間と予算に余裕があったら寄るのもいいかも。
 カメラを持っている人がたくさんいて、私もつられて何枚か写真を撮っていました。
 そして、見学している高校生が一人残らず一眼レフを持っていて。最初は修学旅行生かと思いましたが、一人残らず持っているところを見ると写真部の撮影旅行だったのでしょうか。着ている制服も違うのに、どの子も一眼レフを持っていたのです。考えてみればこんな暑い時期に京都に修学旅行ってあんまりない気がします。
 どの子も、あまり騒がないでマナーのよい学生さん達でした。

 天竜寺の裏門(北門?)から出ると、野宮神社がすぐそこでした。天竜寺見てオルゴール博物館行って、と言う計画の間に野宮神社を挟むことにします。一昨日に「嵐山に行こう」と言っていたときは、野宮神社に行きたいという頭中将に、地図を見て「えー、遠いよ。」と一蹴してごめんなさいという感じでした。お寺の庭がこんなに広いものとは。
 野宮神社は小さなかわいらしい感じの神社でした。弁天様なども合祀していて、裏手に回ると苔の小さな庭があったりします。
 その可愛らしい神社の結構目立つところに石の水盤が置いてあって何枚かの紙が沈んでいます。
 曰く、「ストーカー、セクハラ避け。」
 ストーカーや、職場などでのセクハラに困っている内容を書いて水盤にお賽銭と一緒に沈めると、災いが去るとのことです。(書いた内容は水に沈めると消えて読めなくなります。)
 この神社は、斎宮が伊勢に行く前に身を清めた神社なのでそれにあやかってとのことですが。切実。

 野宮神社から大きな道に出て、少し歩くとオルゴール博物館があります。途中、「古都芋」という、芋羊羹を金つばにしたようなお菓子が売っていたので買いました。美味しかったです。
 オルゴール博物館ではちょうど解説と実演が始まったところだったので見ていました。
 オルゴールはそもそも「自動演奏楽器」だったのだそうです。シリンダーオルゴールはまだまだ貴族の楽しみでしたが、ディスクオルゴールは普及(と言っても1機種が1000台売れるくらいの規模)してレストランなどに置かれて楽しまれていたとのこと。
 オートマタもありました。リアルでびっくり。瞼まで動くのです。ゴムのない時代に作られたものなのに。豚の腸などを使っているそうです。タバコを吸ったり(ちゃんと口から煙を吐く)、手紙を書いたりするものも。
 現代のオートマタ作家さんの作品もありました。動きがなめらかでからくりとは思えません。
 オルゴールやオートマタは動いているのを見てこそ、というところがあるので、解説がこまめにあるのはうれしかったです。学芸員さんもダンディでかっこよかったし。

 オルゴール博物館の1Fはレストランになっています。オルゴール博物館のチケットを見せると1割引になるのです。
 こちらでもいくつかオルゴールや自動演奏楽器が置いてあって時間ごとに演奏してくれます。一番奥にはキリストの一生を描いた巨大な自動人形つきオルゴールがあります。厨子の題材にあるお釈迦様の一生みたいなものですね(と私は思った)。
 ピアノとバイオリンの自動演奏楽器の曲が、小学生の頃モダンバレエの発表会で聞いてそれ以来ずっと好きだったけれど何の曲だか分からなかった曲で。会計の時に何という曲だか分からなかったので思い切って聞いてみたら、わざわざ掛けた人に何を掛けたか聞きに行ってくれました(自動演奏楽器は複数の曲が演奏できる)。”カヴァレリア・ルスティカーナ”というオペラの中の一曲だそうです。今度CDを聞いてみよう。

 京福線嵐山駅に戻り、京友禅工房を見学しました。呼び込みしている人が「入場料は普段は300円ですが今なら100円でいいですよ。」って。
 友禅は糊などで伏せて(防染して)地色を染めて、糊を落として模様を入れるのだそうです。細かい部分はゴムのようなものを絞り出し袋みたいなのに入れて絞り出して線書きするそうです。
 なるほど、にじみ防止にはこうすればいいのか、と見ていたら係りの人がいろいろ詳しく教えてくれました。奥に西陣織+刺繍の豪華な打ち掛けと几帳があって、こんな豪華な几帳もあるのですね、と言ったところ、なんで几帳を知っているのかと驚かれ、平安時代が好きなんです、といったら、今、平安調の友禅を作っているのですよ、と、工房を見た後に着物も見せてもらいました。
 着物は好きですか?と聞かれて、好きですけれど高くて買えません、とストレートなことを言ったら、苦笑いされました。「問屋さんと小売りさんを通すと値段が跳ね上がりますからね。小売店ではお店に利益になる着物を売りますから。うちで染めたら、その人の希望も入れて、見立てて、その人の持つ色、一番似合った色に染めます。そうした着物は一枚が何十年でも着られます。」とのこと。
 うーむ、なるほど。同じ買うなら長く着たいですもんね。
 友禅の糊で防染するのは絞りで防染するのに比べて手間がかからない=量産に向く新しい方法、なのだそうです。絞りの方がふわっとした風合いで、糊で防染する方がはっきりして、それは好きずきですが。
 薄目の鶯色の着物を羽織らせてもらいました。なるほど、続き模様ってこうやって繋がってるんだ…。
 「またおいで。」と言われて、帰りの駅の道も教えてもらって帰ってきました。

 帰りはJRの駅から。京都駅まで20分くらいだったかと。あんまり本数がない電車がすぐに来たので運が良かったです。
 京都駅に着いたら、もう6時を過ぎていたのでぷらっとこだまがありません。ので、ひかりの自由席にしました。空いている日だし、お盆期間中だからぷらっとこだまがあんまり安くなかったのです。来るときちょっと損した気分でした。1時間以上余計にかかるのに送料を合わせると正規ひかり自由席と1000円ちょっとしか差がなかったのです。今度からぷらっとこだまは時期を見て乗ろうっと。のぞみも安くなるし、自由席が出来ますしね。
 新幹線の切符を買って、おみやげを買って、あとついでに三省堂でトリブラの新刊を買っていたり。買いそびれていたのです。
 再び西利に行って、今度はお茶漬けを食べて帰ってきました。

 三日間皆様お世話になりました。
 ここまで読んでくださった方もお疲れさまでした。

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